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2021年4月9日金曜日

74回目の憲法記念日 on line 講演会開催 柄谷行人「憲法再考」on line 講演会開催予定

 🌀柄谷行人を読む🌀 

  

  

74回目の憲法記念日 

on line 講演会開催 

  

柄谷行人「憲法再考」on line 講演会開催予定 

  


実施日時、媒体 2021年5月3日、13:0016:30on line にて開催 

主催 全国憲法研究会 

■参加費 無料 

■申し込み 4月26日までにここから要申し込み                                             





 来たる5月3日、74回目の憲法記念日となるが、思想家・哲学者の柄谷行人がon lineにて講演を行う。題して「憲法再考」となっている。無論、この場合の「再考」とは肯定的に再評価する、という意味だ* 

  

*最近の柄谷が使用した「再考」の例は「NAM再考」という連載インタヴューで、これは今般『ニュー・アソシエ―ショニスト宣言』(2021年・作品社)として上梓された。無論、「NAM」を再評価する主旨のものだ。 

  

 今までの柄谷の日本国憲法への考え方、並びに今回主催するのが「全国憲法研究会」*ということを考え合わせても**、逆、ということはないかと思う。 

  

*会長の小沢 隆一はHP上での「あいさつ」として以下のように述べている。 

  

 日本国憲法は、いままさに試練の時を迎えています。2014年7月の閣議決定による集団的自衛権の行使容認、2015年9月のいわゆる安保法制の強行的成立は、日本国憲法の平和主義、立憲主義、民主主義に対するトータルな否定ともいうべき事態を生みました。そして、今、憲法改正へ向けた動きが進められています。 

 しかし、こうした憲法を巡る動きの中で、立憲主義が注目され、立憲主義を守ろうとする動きも活発になってきています。憲法学研究者は、こうしたことに確信をもって、相互協力のもとに一層研鑚を積み、日本社会と憲法の危機を克服するために力を尽くさなけれ ばなりません。そのために、全国憲法研究会が大いに貢献できることを、切に願っているところです。 

(全国憲法研究会のHP貼り付け元  <https://zenkokuken.org/representative> ) 

  

  

**全国憲法研究会のHPによれば、この5月3日の記念講演会には、ゲスト講師として、井上ひさし・大江健三郎・姜尚中・上野千鶴子・辻井喬の各氏が参加されているという(全国憲法研究会のHP・貼り付け元  <https://zenkokuken.org/representative>)。  

  

  

 言うまでもなく、柄谷の憲法についての見解は、およそ次の2点に集約されるかと思う。 

  

①日本国憲法は敗戦後の日本人の無意識の強迫によって改正することはできない。 

②日本国憲法第9条を実行すべきである。そのためには日本の持つ軍備を国際連合に「贈与」するべきだ。 

  

「戦後七〇年 憲法九条を本当に実行する」(岩波書店社長・岡本厚によるインタヴュー)/『朝日新聞』2015年8月15日・朝刊・岩波書店の新聞広告。

 個人的な見解を差し挟めば、①点目については、解釈改憲の問題や、そもそも理論的も、実際としても、いかがなものか、という疑念を禁じ得ない。これについては批判の文章を以前挙げておいた 

「今、「哲学者」の視線は必要か?―― 柄谷行人「9条の根源」を読む  」貼り付け元  <https://torinojimusho.blogspot.com/2016/06/9.html> ) 

  

②点目については、まさにその通りだと思う。日本、日本人が世界の歴史にその名を残すのは、まさにこの1点にかかっている気がする。これは、単に日本一国のみの問題ではなく、今後の世界の新秩序をいかに構想、実行していくか、ということの根幹に関わることだと考える。 

  

 さらに付け足すと、柄谷が憲法がらみで具体的なアクションを起こすのは何も今回が初めてではない、ということに注意したい。何事もそう簡単にことが進むわけではなく、積み重ねこそが社会を変えていくのである。それは「デモ」と同じことである。 

  

  

 いずれにしても、当日、柄谷からどんな発言があるか、楽しみである。 

 

  

📕【柄谷行人の憲法に関わる著書・発言の代表的なもの】 

    *他にもあるが、一旦思いついたものだけ。 

  

①「戦後七〇年 憲法九条を本当に実行する」(岩波書店社長・岡本厚によるインタヴュー)/『朝日新聞』2015815日・朝刊・岩波書店の新聞広告。 

②「今、平和を語る――戦後70への伝言」/『毎日新聞』20151026日・夕刊。 

②『憲法の無意識』2016年・岩波新書。



  



③「9条 もう一つの謎」(大澤真幸との対談)/『世界』2016年7月号/『柄谷行人発言集 対話篇』2020年・読書人。  

④「改憲を許さない日本人の無意識」 /『文學界』2016年7月号。 

⑤「9条の根源」(依田彰によるインタヴュー)/『朝日新聞』2016年6月14日・朝刊。    

  

  

🕊 

2021/04/09 19:37 

 

1,841字(四百字詰め原稿用紙換算5枚)


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