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2021年4月10日土曜日

柄谷行人、書評最新作掲載さる 柄谷行人「大切にされない場にはいないで――学校、行かなきゃいけないの? 雨宮処凛〈著〉」

  🌀柄谷行人を読む🌀 

 

柄谷行人、書評最新作掲載さる 

 

柄谷行人「大切にされない場にはいないで――学校、行かなきゃいけないの? 雨宮処凛〈著〉」 

 





■書評(社会・教育)。 

■2021年4月10日読了。 

■採点 ★★★☆☆。 

 

 

 柄谷行人の2021年2月27日以来の書評が『朝日新聞』に掲載された。 

 柄谷は実は幼稚園のときに「登園拒否」で、小学校に上がっても「二年間口をきかなかった」ことを書いている*。世の中、意外とそういうことがある。よほど「イゴゴチ」が悪かったに違いない。 

 

*大澤真幸のインタヴューでも同様のことを述べている。「僕は小学校二年生の終りまで、教室で、ものを言わなかったのです。」(柄谷行人・見田宗介・大澤真幸『戦後思想の到達点』2020年・NHK出版・p.27) 

  

 この書評では、作家・活動家の雨宮処凛かりんの『学校、行かなきゃいけないの?』*を取り上げている。 

 

* 雨宮処凛『学校、行かなきゃいけないの?――これからの不登校ガイド』2021年・河出書房新社。 

 

 副題にあるように「不登校」そのものを勧めているわけだが、それはもちろん日本において不登校そのものが社会問題というには大変な数で増えている。「少子化にもかかわらず、小中学生だけで全国に一八万人いるとされている」らしい。当然、これには理由がある。恐らく一九八〇年代から「不登校」は広く社会問題になったが、「大学への進学が一般化し」、そのため「日本人の生き方が学校制度を通じて平準化された」からだろう。  

 柄谷は「あなたを大切にしてくれない場所にはいてはいけない」との筆者の言葉添えている。まさにその通りだ。 

 

703字(四百字詰め原稿用紙換算2枚) 

🐣 

20210410 2207 

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