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2018年11月19日月曜日

長嶋有『猛スピードで母は』

長嶋有『猛スピードで母は』



年1月30日・文藝春秋。


 2012年4月29日読了・★★。


とても面白かった。
いずれも思いきりのいい男勝りの女性がモチーフになっている。こういう女性は嫌いではないが、私自身は嫌われてしまう。私が女々しいからだろう。
個人的には「サイドカーに犬」のほうが、あっからかんとして楽しめた。
ふざけたようなタイトルだが、いずれにしても心理の表れが、具体的な言動などに的確に表れていて、とても優れていると感じ、NTの問題にも使用したことがある。
機会があれば別の作品も手に取ってみたい。(120430)

2017年5月17日水曜日

最近の読書

最近の読書 

 本来一冊ずつ書くべきだが、弱っているので、とりあえずまとめて書く。気力が沸いてきたら増補のうえ、独立させる予定だ(本とか?)。 

①穂村弘『もうおうちへかえりましょう』2017年5月11日読了。 




 初期のエッセイ集なので文体にも内容にも濃淡がある。なかでも短歌評についてはいささかならず疑問が残る。 

②穂村弘『君がいない夜のごはん』2017年5月11日読了。 





 単純に面白い。食べ物ネタに弱いのでとてもよい。かの吉本隆明も晩年は食べ物エッセイだった(だから、どうというわけではないが)。ぜひ、この続編が読みたい。 

③長嶋有『安全な妄想』2017年5月15日読了。 




 うーん、まあまあかな。本人の小説のレヴェルには及ばない。逆に言うとなぜにあのような小説が書けてしまうのかが謎だ。 

④アントニオ・タブッキ『インド夜想曲』須賀敦子訳 2017年5月15日読了。





 一言では言い尽くせない複雑な魅力を持った作品である。結局のところは主人公は裏主人公の妄想であった、とも言えるし、また逆に結末こそが主人公の妄想であるかも知れない。これをもう少し大衆的なレヴェルに物語性を付与すると村上春樹になる。 


🐔 

2016年11月15日火曜日

読者を選ぶチャレンジングな作品

🐶長嶋有を読む  


読者を選ぶチャレンジングな作品  



長嶋有『ねたあとに』 

単行本


文庫本

長嶋有『ねたあとに』2009年2月28日・朝日新聞出版。 
■長篇小説。 
■2016年11月15日読了。 
■採点  ★★★☆☆ 


 本書は軽いスタイルで書かれてあるが、作家自身の強い方法論的確信によって裏打ちされた(と思われる)、極めてチャレンジングな作品である。 
 これが日本の大手日刊紙に連載されていたことがにわかには信じがたい。 
 と言うのは、ストーリーらしきものはほとんどない、いや、皆無、と云ってもよい。作家自身を思わせる主人公らしき(?)人物の一家が構える山荘にその親族や友人たちが代わりばんこに滞在する。そこでその山荘に代々伝わるオリジナルの遊びを夜な夜な繰り広げる。 
 ただ、これだけなのである。 

 黒子を思わせる「久呂子さん」という主人公の友人が語り手として状況の説明を行うが、いわゆる近代小説的な意味での内面はほぼ排除されている*。 

 *その意味では「表層小説」とも言いうる。 

 正直に云って、初めの100ページぐらいはこの小説*の面白さが分からなかった。しかしながら、物語(?)の過半に至ると登場人物たちの様子をただ眺めていることに、ある種の面白味を感じることになる。それはこの山荘の遊び**が変すぎて面白いということもあるが、そこに集う人々***の変過ぎさが面白味を誘うのであろう。 

 *これは小説なのだろうか? 
  **個人的には「それはなんでしょう」と「ダジャレしりとり」が面白かった。 
  ***電話でしか登場しない引きこもりのヒキオくんとか強い存在感だ。 

 いずれにしても本書は読者を選ぶ作品だ。 

 単行本の装画の高野文子さんが素晴らしい。 




2016年11月9日水曜日

それなりに楽しめたが、それなりでしかない

🐶長嶋有を読む  


それなりに楽しめたが、それなりでしかない  



長嶋有『いろんな気持ちが本当の気持ち』




長嶋有『いろんな気持ちが本当の気持ち』2005年7月25日・筑摩書房。 
■エッセイ集。 
■2016年11月9日読了。 
■採点  ★☆☆☆☆ 


 長嶋有の小説については大変な才気を感じるが、エッセイについては、それなりに楽しめたが、まだまだ、それなりでしかない。エッセイという作品にはなりきれてなく、雑文に近いか。 
 とりわけ、他の作家や作品を論じた批評文はいただけない。 
 しかしながら、自身の作品の背景や、日常について触れられたエッセイは単純に楽しめた。髭とかサインの話や室蘭水族館の話は面白かった。 
 後日コメントとして「自己鑑賞と補遺」が巻末に付されているが、読みづらい。各文章毎にして欲しかった。