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2017年3月18日土曜日

〈善悪〉の解体     吉本隆明・聞き手 芹沢俊介『宗教の最終のすがた――オウム事件の解決』

〈善悪〉の解体 

吉本隆明・聞き手 芹沢俊介『宗教の最終のすがた――オウム事件の解決』 



■ 1996年7月20日・春秋社。  
■ 連続対談。  
■ 宗教思想・現代社会。  
■ 2014年5月7日読了。  
■ 採点★★★☆☆  

 『最後の親鸞』で提示された〈善悪〉そのものを解体させた親鸞の思想像の具体的な「石」(躓きの石?  試金の石? )こそがオウム事件に他ならない。
 このような現実的な展開があってこその「親鸞論」であるべきだ。 
 必ずしもタイトルどおりの「オウム事件の解決」になっているわけではないが、この事件の本質的な部分を明瞭に照らし出している。 
 ありうべき姿は聞き手が芹沢ではなく、吉本と対立している論者との対論であるべきだった。とりわけこのような実際的な論題については。 


・ 〈死の視線〉20  
・ 新しい〈善悪〉の基準34 
・ 制度外の宗教者74 
・ ボードリヤールの死後の世界85 
・ 幽霊が核実験する86 
・ 「ヨブ記」103・174 
・ キルケゴール『反復』103 
・ 宗教→倫理133 
・ 〈善悪〉は何かに対する善であり悪だから、〈深さ〉とは関係ない134 
・ 三木成夫『胎児の世界』153 

  

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