恐るべし、本人術!
南伸坊・南文子(写真)『本人伝説』
■写真集(なのか? パロディ)
■2017年4月13日読了。
■★★★☆☆
恐らく本書を正確に批評するためには、南と同じことをするしかない。すなわち、南伸坊の顔真似写真を撮り、その横に南の文体模写を提示する。しかし、そんなことは誰にもできない。
多くの読者は南の「本人術」による写真を見て笑う。しかし、それが南による対象への批評になっていることに気づくだろうか。笑いとは距離を取ることである。その距離にこそ批評の発生の場があるのだ。
ダライ・ラマ14世をはじめとして、荒木経惟、草間弥生、ウッディ・アレンなどそっくりというしかない傑作揃いの中、輪郭的にかなり無理があるオバマ前大統領や、菅直人元総理夫妻の対談(無論、架空の)など爆笑の連続だ。しかし極めつけは経済評論家、勝間和代の「要点は5つです。メモして下さい」だ。残念ながら勝間氏の著書を読んだことはないが多分、このような自信に溢れたおっしゃり方をするのだろうと思わせる。
恐るべし、本人術!
2017年4月20日執筆
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