このブログを検索

2017年4月20日木曜日

恐るべし、本人術!    南伸坊・南文子(写真)『本人伝説』

恐るべし、本人術! 

南伸坊・南文子(写真)『本人伝説』 






■南伸坊・南文子(写真)『本人伝説』2012年9月10日・文藝春秋。 
■写真集(なのか?  パロディ) 
■2017年4月13日読了。 
■★★★☆☆ 

 恐らく本書を正確に批評するためには、南と同じことをするしかない。すなわち、南伸坊の顔真似写真を撮り、その横に南の文体模写を提示する。しかし、そんなことは誰にもできない。 

 多くの読者は南の「本人術」による写真を見て笑う。しかし、それが南による対象への批評になっていることに気づくだろうか。笑いとは距離を取ることである。その距離にこそ批評の発生の場があるのだ。 

 ダライ・ラマ14世をはじめとして、荒木経惟、草間弥生、ウッディ・アレンなどそっくりというしかない傑作揃いの中、輪郭的にかなり無理があるオバマ前大統領や、菅直人元総理夫妻の対談(無論、架空の)など爆笑の連続だ。しかし極めつけは経済評論家、勝間和代の「要点は5つです。メモして下さい」だ。残念ながら勝間氏の著書を読んだことはないが多分、このような自信に溢れたおっしゃり方をするのだろうと思わせる。 
 恐るべし、本人術! 


2017年4月20日執筆 

0 件のコメント:

コメントを投稿