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独自の世界観を持った亜芸術家として評価すべき
椎名誠・沢野ひとし・木村晋介・目黒考二『沢野絵の謎』
■椎名誠・沢野ひとし・木村晋介・目黒考二『沢野絵の謎』1997年12月20日・本の雑誌社。
■座談会集。
■2016年11月29日読了。
■採点 ★★★☆☆。
沢野ひとし氏の画業については、単なる挿し絵画家、イラストレイターという範疇を越えて、独自の世界観を持った芸術家、あるいは亜芸術家として論究、評価されるべきものである。
本書は旧友4人が集まって、沢野氏の挿し絵、イラスト、あるいは漫画について話し合ったものだ。したがって、ほとんど雑談の域を出ていないが、それはそれで面白かった。恐らく沢野氏の絵は真正面からのアプローチを拒絶するものだから。
「あとがき」として書かれた小田原の放浪の話や川崎長太郎の話は、沢野氏の本質がそのような<或る種のロマンシズムにあることを窺わせて興味深い。
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