◇ 夢 ◇ 判 ◇ 断 ◇
合 宿 その②
合宿に行った。
高級ホテルというのか旅館というのか、とにかく古ぼけていて大きい。ということは以前の記憶なのか。
着いたばかりで全体の様子が分からない。生徒の様子もなんとなく浮ついた感じだ。
鬱蒼とした森の中の渡り廊下を歩いていく。両側はなぜか摺ガラスになっているが、 足元のそれの向う側には巨大な海老のような影が張り付いている。そんなはずはない。蝦蛄(しゃこ)か、百足(むかで)か。百足だろうな。しかし、その割には幅が広い。
生徒たちに荷物を置かせて待機するように言って、後続部隊の出迎えに立つ。バスは遅れているようだ。
やっと後続部隊が来た。「こんにちは!」「お疲れさま!」と声をかけるが、ほとんど無反応だ。どういうことだ。バスの中の忘れ物のカバンを持って宿舎に向かう。
合宿の責任者と女将の立ち話を聞くともなしに聞くと、主人が倒れた、という。どうも宿の主人は板長も兼ねているようで、料理が遅れるという。
入口近くのラウンジには別の団体が持ち込みの寿司桶を囲んでいる。一体どういうことだ。
待てど暮らせど夕食の指示は来ない。待ちくたびれた生徒たちは廊下に出てしまう。仕方なく、廊下に整列させて、食堂と思しき方向に向かう。
なぜか、走り出してわたしの前に行ってしまう生徒がいる。かなり強く怒る。合宿というのは全体の統制がとれていないといけない。ちょっとした乱れが事故の元だ。
比較的広い空間だ。長方形のカウンターが12個ぐらいあって、なかには板前ではなく、和服のコンパニオン的な女性が複数いる。厚化粧ではあるが、ショートカットで可愛い。カウンターには大きな陶器の器に大根などの煮物があり、蜆御飯や味噌汁などが配置されている。
どこに坐ろうか迷ったが、なんとなく、比較的長い髪のイケメンの教師の横近くに座る。しかし、何も話さない。
山盛りの御飯が見苦しくよそってある。しかし目立ったお数らしいものはない。子供たちは不満にならないか。
ところで、コンパニオンはどこに行ったのか。いないじゃないか。
よく見ると、タッチパネルがあるではないか。ここから注文するのか。画面を見ると、今わたしが置かれている状況が克明に再現されている。全体がブルーの画面の中に、初老の男性が一人ぽつんとカウンターで飯を喰っている。どういうことだ。これはゲームではないのか。わたしはヴィデオ・ゲームの世界に入り込んでいるのではないか。それにしてもこれはどういうことだ。よく見ると画面の上部に様々なアイコンが並んでいる。その中に「大津波」というアイコンがある。なんだそれは、と思うが、つい押してしまう。……しかしながら画面上は何も起きない。変だな。
ふと気づくと周りには誰もいなくなっていた。そういうことなのか。つまり、これがゲームの中なのか?
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