うーむ、これは何だ?
ドストエフスキー『地下室の手記』
■Фёдор Миха́йлович Достое́вский, Записки из подполья,1864.
■ドストエフスキー『地下室の手記』1864年/2007年5月20日・光文社古典新訳文庫・安岡治子訳。
古書、¥110。
■長篇小説。
■2021年12月15日読了(再読)。
■採点 ★★★☆☆。
第2部の小説篇の部分はなかなか面白いとも言えるが、第1部の手記篇? がそもそも何を言いたいのかが分からない。要は現実社会に反して?、馴染めず?、居場所が存在せず?、そのような人々が言いたいことを言うとすればこうなるよ、ということなのだろうが、「地下室」に必ずしも40年籠り切りという訳でもなく、学校にも行き、役所でも働いていいる主人公の、「地下室性」がいささか不徹底のようにも思える。
また、第1部と第2部の思想的関連性や、あるいはそれらの小説的構造性もいささか弱い気がする。
そのような境遇に置かれているのは、主人公のみならず、売春婦リーザも、また主人公の下男(主人公には下男がいるのか? という驚きも伴いながら)であるアポロンも皆同じはずである。ところが、その同じ(ような)境遇に置かれた人々は、互いに理会し合うことは金輪際ないというところにポイントがあるのであろうか。
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・人間=ピアノのキー説(ディドロ) p.50 cf.予定説、マトリックス
・人間の自由=気まぐれ p.59
・「最後のひと言を隠している」 p.77 本当に言いたいことは書けない
・初夜権 p.124
・売春窟で、主人公はキャラ・チェインジし過ぎではないか? リーザに喋り過ぎではないか? そもそもあんなに酒を飲んでいて、可能だったのか? p.p.173-209
・主人公とアポロンはなぜ仲が悪いのか?
・リーザと再会した下宿で、隣にアポロンがいて、たったの15分でことが収まったのか? P.250
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