バイロイトの祝祭劇場には、空調施設がない!
■村上春樹「「至るところにある妄想」バイロイト日記」/『文藝春秋』2019年10月号。
■紀行文・音楽評。
■2019年9月12日読了。
■採点 ★★☆☆☆。
ドイツの『ツァイト』紙の需めに応じて書かれた紀行文の一種。ただ、これが『ツァイト』に発表されたそのものなのか、日本人向けに書き直されたものなのかは不明。
村上の紀行文の面白さには定評があるが、本篇は観劇記ということもあって、いささか広がりに欠けるきらいもあるが、そう感じるのはおそらく、当方のワーグナーに対する知見が欠けているせいだろう。
小林秀雄は「バイロイトにて」というエッセイにおいて次のように述べている……とかいうのは野暮というべきなのであろうな。
題名は『ニュールンベルクのマイスタージンガー』をモチーフにした」「妄想だ! 妄想だ! 至るところに妄想が!」というTシャツを村上は購入したことによる。村上のTシャツ好きは広く知られることだが、無論、バイロイトの祝祭劇場にはタキシードとブラックタイというドレスコードがあり、なおかつ、ではなく、にも関わらず、空調施設がない! という。
個人的なことを書き付ければ、わたしは暑さに著しく弱い。とうていバイロイトに赴くことは不可能なことだと思い知った。
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2019/09/14 0:54
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