逃亡者(たち) *
*と言っても俺一人
読書を続けるべきだったが、暖かいのでふらふらと外に。
ブックセンター・イトー本店。
① 橋本健二『新しい階級社会 新しい階級闘争』2007年・光文社。……『新・階級社会』(2018年・講談社現代新書)で洛陽の紙価を高らしめた著者の旧著。これは是非とも読まねば。
② 堀江貴文『好きなことだけで生きていく。』2017年・ポプラ新書。……というわけでわたしはいまKSを辞めるかどうかの瀬戸際にいる。
BOOKOFF京王堀之内店。
③ 湯浅誠『ヒーローを待っていても世界は変わらない』2012年・朝日新聞出版。……以前(といっても相当前だ。地デジ化前だ)、テレヴィジョン放送で湯浅さんが活動する様子を見たことがあり、これは、只者ではないと思った記憶がある。
④ 江藤淳『漱石とその時代』第四部・1996年・新潮選書。……今頃か、という感もあるが、第一部、第二部とそれ以後は別人の手なるかと思うぐらい密度が違う。それはなぜだろうか?
⑤ 大澤真幸『性愛と資本主義』1996年・青土社。……駄目だ、大澤さんの執筆速度に追い付けない。
⑥ 今村仁司『近代の労働観』1998年・岩波新書。……表紙見返しの解説には次のように記されている。
一日のかなりの時間をわれわれは労働に費やす。近代以降、労働には喜びが内在し、働くことが人間の本質であると考えられてきた。しかし、労働の喜びとは他者から承認されたいという欲望が充足されるときである。承認を求める欲望は人間を熾烈な競争へと駆り立てる。労働中心主義文明からの転換を、近代の労働観の検討から提起する。
確かに「労働の喜びとは他者から承認されたいという欲望」が存在することは事実だと思われるし、また、仮にそのような側面がないにしても、なにものかが「人間を熾烈な競争へと駆り立て」ていることは確かだと思われる。
しかしながら広い意味での「労働」に「人間存在」の本質を認め、なおかつそこに、何らかの「喜び」や「楽しみ」が内在することは否定されるべきだろうか。
もちろん、これには厳密な定義の問題、すなわち「労働」とはそもそも何なのか、という手続きを無視することはできない。この問題は、現在執筆中の「人間の労働」へと接続する。
今村さんには同様のテーマを追究したものに以下の二著がある。『労働のオントロギー』(1981年・勁草書房)、『仕事』(1985年・弘文堂)。
⑦ 柏木博『日用品の文化誌』1999年・岩波新書。……近代的生活様式を支えたもの、あるいはそこから産み出されたもの、現代住宅、紙製品、スーツなどを取り上げて考察する。しかしながら、これらは一項目を以て一本の論文、一冊の論著になるぐらい重いテーマである。
少し視点がずれるが、1980年代の初頭に流行り始めた新しい店舗形態に
(1)コンビニエンス・ストア
(2)ファミリーレストラン
(3)ファースト・フード
(4)ほかほか弁当 以上4件である。
このうちの(2)(4)は低迷してその姿を消そうとしている。(1)と(3)については社会学的な分析が必要だとう思うがどうだろうか。
⑧ 猪瀬直樹『突破する力』2011年・青春新書。……再評価すべき人だと思う。
⑨ 村上龍『自由とは、選び取ること』2013年・青春新書。……うーん。村上龍の言ってることは正論だが、なぜこんな仕事をしているのだろう?
⑩ 稲垣えみ子『アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したから書けたこと。』2016年・朝日新聞出版。……徹底的な節電、節約生活は参考になる。
⑪ 大塚英志+東浩紀『リアルのゆくえ』2008年・講談社現代新書。……これは出版されるべきなのか。一方の著者が削除したものを、もう一方の著者が確認もできずに出版されるとは。しかし、そのまま流通させているところに東さんのある種の男気を感じる。
⑫ 野村一夫『社会学感覚』1992年・文化書房博文社。……野村さんは今は國學院で教えられているが、以前わたしが籍をおいていた大学の社会学研究会の会報で、その名前を知った。「権力論のマッピング」というのがその論文(研究発表のレジュメ?)だったが、その該博な知識と的確な交通整理の仕方に舌を巻いたものだった。この人はもっとその名を知られてもいいはずなのに。
⑬ 広井良典他『知の現在と未来――岩波書店創業百年シンポジウム』2014年・岩波書店。……えてしてこのようなシンポジウムは予定調和でつまらないことが多いのは致し方ないことだ。柄谷さんと國分さんが寄稿していたので買った。
① ③⑥⑩は執筆中の「人間の労働」のため。
② ⑧⑨⑩は自分のTS? のため。
どうでもいいが、これはいままでなぜかDLできなかったWORDで書いている。普通だが、この普通が有り難い。
2018年3月3日
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