詩人・大岡信さんの訃報に際し、心より哀悼の意を表します。
大岡信さんには一度お目にかかったことがある。ある講演会で、大岡さんは「好きということの大切さ」について話されて、わたしは挑発するように「では、信じるということの意味はどうか」と質問した。実はその時の返答については覚えていないが、とても誠実に対応されたと微かに記憶している。
その後、しばらくして、たまたま縁あって、三浦雅士さんについての拙文をお送りしたところ、これまた懇切丁寧な返信を頂戴したことも記憶に新しい。
大岡信と言えば『折々のうた』であるが、それについて「日本文学の本質的伝統を現代化した詞華集(アンソロジー)」との書評を出したこともある。
いずれにしても、もっと大岡さんの的確で、なおかつ暖かい批評の言葉を聞きたかった。
わたしの机上には『折々のうた』が並べてある。いつでも大岡さんの言葉が聞けるように。
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