これは大変素晴らしい
ポップアップ式の付箋
読書に際して線を引くなり、書き込みをするというのは誰しもすることなのだろうか*。
*何をもって線を引くのか、という問題についてはこのブログの中の「筆記具」を参照。
わたしはここ20年近くは知的活動が停止状態だったにも関わらず、けして多くはない読書に際してもこれを怠ったことはなかった。というよりも、何か書くものがないと落ち着いて読書ができぬ有り様だ。
以前テーブルで読書をはじめて、手近に書くものがなかったので、同居人の化粧道具のアイペンシルで線を引いたこともあった。無論、この件については同居人には内緒、というよりも極秘事項である。
なぜ、線を引くのかというと、あとで読書ノートを起こしたり、何らかの批評文を書くやも知れぬため、その準備として必要だ、という面もある。
しかしながら、もう一歩考えてみると、線を引いたり、書き込みをしたりすることによって、対象の本の内容を頭のなかで噛み砕いたり、咀嚼したり、自らのなかに取り入れる、そのような作業をしているのだと思う。
したがって、これはものにもよるが、とりわけ哲学書などの、何回読んでも難解なものは赤線やら丸囲いやら、書き込みで一杯になり、あとで読み返したときに、どこが大切なのかが分からなくなるという状態になってしまう。
無論、色分けすればよい、という説はごもっともだ。否定はしない。ご多分に漏れず、かく言うわたしも、かの3色ボールペン主義者の齋藤孝氏の指示にしたがって10年ぐらいはそれを使っていたと思う*。実際仕事では今でも使っている。齋藤氏の方針に従えば、赤はとても大事、青はまーまー大事、緑は個人的に気になった箇所にそれぞれ使用するということだ。
*齋藤孝『三色ボールペン情報活用術』2003年・角川oneテーマ21など。実際には三色だけでは不便なので、個人的には黒を入れた4色とシャープペンが入ったものを使っていた。
しかしながら、わたしにとっては「とても大事」と「まーまー大事」の区別が初読では判断が難しく、ある一定のところまで読まないと決定できない、という軟弱な有り様であった。したがって、ほとんどは青ばかりという状態になってしまう。
そもそも、本にボールペンという比較的修復が困難な筆記具*で書き込みをするというのも、正直、なんだかなー、という気持ちもあった。
*もっとも最近は消せるボールペンも販売されて入るが……。
だから、その面については赤青の色鉛筆が使えれば問題がないのだが、携帯に不便なので、現在は北星鉛筆の「大人の鉛筆」という2ミリの芯の入るシャープペンシルに赤芯を入れて使っている。
さて、そうすると先に述べたような、どこが大切なのかが分からなくなる問題だが、それについては、ここぞ! という箇所には付箋を張るという手段で、これを回避する。
ただ、この付箋というのが何でもいいわけではないのだ。無論、移動することなく、絶えず書斎などで読書が進められるひとにとっては何でもよいだろう。
わたしのように移動中で読書をするものにとっては、その付箋は取り出しやすく、台紙から剥がしやすく、さらにその台紙から脱落しないもの、という条件が課せられる。
そこで、このポップアップ式の付箋である。
わたしはこれをブックカヴァーの表紙の裏に両面テープ*で張り付ける。この形式のものは互い違いに格納されているので、1枚取ると、次のものが現れるのだが、それ以外はプラスチックケースに覆われていて、脱落しないようになっている。これは素晴らしい製品だと思う。仮に100円ショップ大賞があるとするなら、アイディア賞か銅賞は確実だろう。なぜ金賞や銀賞ではないかというと、個人的には金賞を授与することにやぶさかではないが、特殊な使用状況下でその威力を発揮するため、あまり一般受けしないだろうからだ。普通にデスクワークなどで使用するにはケースが邪魔だったり、枚数が少なかったりの問題点を抱えていることも事実だ。
*両面テープは付属している。
ところが、そのように考えてくると銅賞はおろかアイディア賞すらも怪しくなってくる。
というのは、この形式のものはあまり販売されていないのだ。半年前ぐらいに購入して、しばらく店頭で発見することがなかった。
本日やっと遭遇して、とりあえず2つ買ったのだが、10個ぐらいまとめて買っておけばよかったと、今になって後悔している。これがないと読書が進まないのだ。
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