📚讀書ノウト
「イエス」の再発見はあるか?
■遠藤周作『死海のほとり』1973年6月25日・新潮社(純文学書下ろし特別作品)。
■長篇小説。
■2016年7月5日読了。
恐らく筆者にとってはかなり「挑戦的な」*主題を持つこの小説を、少なくとも私は楽しめなかった。作者の代行者である「わたし」が作品のなかで「イエス」を再発見するように、読者もそうできればよかったのだが。
*遠藤周作・江藤淳「『死海のほとり』をめぐって」/本書・付録。
例えば、新約聖書学者たち*が薄皮を一枚一枚剥がしていくように丹念に「史的イエス」に迫っていく手つきから与えられる知的興奮とはいささか異なるものがある。
*荒井献『イエスとその時代』1974年10月21日、田川建三『イエスという男』1980年3月31日・三一書房など。
遠藤のよき読者とは云えぬ私には、残念ながら、現段階ではこれ以上のことは云えない。
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