ショスタコーヴィチ 作品一覧
ドミートリイ・ドミートリエヴィチ・ショスタコーヴィチ(ロシア語:
Ru-Dmitri Dmitrievich Shostakovich.ogg Дмитрий Дмитриевич Шостакович ドミートリイ・ドミートリイェヴィチ・シャスタコーヴィチ; ラテン文字転写の例: Dmitrii Dmitrievich
Shostakovich, 1906年9月25日(ロシア暦9月12日) - 1975年8月9日)は、ソビエト連邦時代の作曲家。交響曲や弦楽四重奏曲が有名である。
シベリウス、プロコフィエフと共に、マーラー以降の最大の交響曲作曲家としての評価がほぼ確立され、世界的にも特に交響曲の大家と認知されている。また、弦楽四重奏曲においても秀逸な曲を残し、芸術音楽における20世紀最大の作曲家の一人である。ショスタコーヴィチの音楽には暗く重い雰囲気のものが多いが、その一方でポピュラー音楽も愛し、ジャズ風の軽妙な作品も少なからず残している。
当初、体制に迎合したソ連のプロパガンダ作曲家というイメージで語られていたが、『ショスタコーヴィチの証言』が出版されて以後、ショスタコーヴィチには皮肉や反体制、「自らが求める音楽と体制が求める音楽との乖離に葛藤した、悲劇の作曲家」というイメージも加わった。
交響曲
交響曲第1番 ヘ短調 作品10(1925年)
交響曲第2番 ロ長調 作品14「十月革命に捧ぐ」(1927年)
交響曲第3番 変ホ長調 作品20「メーデー」(1929年)
交響曲第4番 ハ短調 作品43(1936年)
交響曲第5番 ニ短調 作品47(1937年)
交響曲第6番 ロ短調 作品54(1939年)
交響曲第7番 ハ長調 作品60「レニングラード」(1941年)
交響曲第8番 ハ短調 作品65(1943年)
交響曲第9番 変ホ長調 作品70(1945年)
交響曲第10番 ホ短調 作品93(1953年)
交響曲第11番 ト短調 作品103「1905年」(1957年)
交響曲第12番 ニ短調 作品112「1917年」(1961年)
交響曲第13番 変ロ短調 作品113(1962年)
交響曲第14番 ト短調 作品135(1969年)
交響曲第15番 イ長調 作品141(1971年)
弦楽四重奏曲
弦楽四重奏曲第1番 ハ長調 作品49(1938年)
弦楽四重奏曲第2番 イ長調 作品68(1944年)
弦楽四重奏曲第3番 ヘ長調 作品73(1946年)
弦楽四重奏曲第4番 ニ長調 作品83(1949年)
弦楽四重奏曲第5番 変ロ長調 作品92(1952年)
弦楽四重奏曲第6番 ト長調 作品101(1956年)
弦楽四重奏曲第7番 嬰ヘ短調 作品108(1960年)
弦楽四重奏曲第8番 ハ短調 作品110(1960年)
弦楽四重奏曲第9番 変ホ長調 作品117(1964年)
弦楽四重奏曲第10番 変イ長調 作品118(1964年)
弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調 作品122(1966年)
弦楽四重奏曲第12番 変ニ長調 作品133(1968年)
弦楽四重奏曲第13番 変ロ短調 作品138(1970年)
弦楽四重奏曲第14番 嬰ヘ長調 作品142(1973年)
弦楽四重奏曲第15番 変ホ短調 作品144(1974年)
弦楽のためのレクィエム 作品144bis(原曲は第15番)
管弦楽曲・吹奏楽曲
スケルツォ第1番 嬰ヘ短調 作品1(1919年)
主題と変奏 変ロ長調(1922年)
スケルツォ第2番 変ホ長調(1924年)
タヒチ・トロット(1928年)
E・ドレッセルの歌劇『コロンブス』のための2つの小品(1929年)
ジャズ・オーケストラのための第1組曲(1934年)
5つの断章(1935年)
ジャズ・オーケストラのための第2組曲(1938年)
荘厳な行進曲(1941年)
バレエ組曲第1 - 4番(1950年 - 53年)
祝典序曲(1954年)
ノヴォロシースクの鐘(1960年)
ロシアとキルギスの主題による序曲(1963年)
交響詩「十月革命」(1967年)
交響的哀悼前奏曲(1967年)
ソヴィエト民警の行進曲(1970年)
インターヴィジョン(1971年)
「緑の工場」のための序曲
2つの前奏曲(アルフレート・シュニトケ編曲)
協奏曲
ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 作品35(1933年)
ピアノ協奏曲第2番 ヘ長調 作品102(1957年)
ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 作品77(99)(1948年)
ヴァイオリン協奏曲第2番 嬰ハ短調 作品129(1967年)
チェロ協奏曲第1番 変ホ長調 作品107(1959年)
チェロ協奏曲第2番 ト短調 作品126(1966年)
室内楽曲
弦楽八重奏のための2つの小品 作品11(1927年)
チェロ・ソナタ ニ短調 作品40(1934年)
ピアノ五重奏曲 ト短調 作品57(1940年)
ピアノ三重奏曲第1番 ハ短調 作品8(1923年)
ピアノ三重奏曲第2番 ホ短調 作品67(1944年)
ヴァイオリン・ソナタ ト長調 作品134(1968年)
ヴィオラ・ソナタ ハ長調 作品147(1975年)
弦楽四重奏のための2つの小品(1931年)
ヴァイオリン・ソナタ(1945年に着手したが未完)
チェロとピアノのためのモデラート
3つのヴァイオリン二重奏曲
ハープ二重奏のためのポルカ 嬰ヘ長調
3つの小品
オペラ
鼻(1928年)
大きな稲妻
オランゴ(1932年)
ムツェンスク郡のマクベス夫人(1934年)Op.29
賭博師(1941年)
カテリーナ・イズマイロヴァ(1963年) - 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」の改訂版。Op.114
オペレッタ
モスクワ・チェリョームシキ(1958年)Op.105
合唱曲
オラトリオ「森の歌」(1949年)
カンタータ「わが祖国に太陽は輝く」(1952年)
混声合唱のための無伴奏合唱曲十の詩曲(1951年)
バラード「ステパン・ラージンの処刑」(1964年)
反形式主義的ラヨーク
声楽曲
日本の詩人の詞による6つの歌 作品21(1928年) オーケストラ伴奏版あり
プーシキンの詩による4つのロマンス 作品46 オーケストラ伴奏版あり
歌曲集「ユダヤの民族詩より」 作品79 オーケストラ伴奏版あり
レールモントフの詩による2つのロマンス 作品84
エフゲニー・ドルマトーフスキーの詩による4つの歌曲 作品86
プーシキンの詩による4つのモノローグ 作品91
エフゲニー・ドルマトーフスキーの詩による5つのロマンス 作品98
スペインの歌 作品100(1956年)
風刺 作品109(1960年)
自作全集への序文とその序文についての短い考察 作品123
アレクサンドル・ブロークの詩による7つの歌曲 作品127
マリーナ・ツヴェタエワの詩による6つの歌曲 作品143 オーケストラ伴奏版あり
ミケランジェロの詩による組曲 作品145 オーケストラ伴奏版あり
バレエ音楽
黄金時代(1930年)
ボルト(1931年)
明るい小川(1935年)
お嬢さんとならず者(1962年)
映画音楽
新バビロン 作品18(1929年)
女一人 作品26(1931年)
黄金の丘 作品30(1931年)
呼応計画 作品33(1932年)
司祭とその下男バルダの物語 作品36(1935年)
愛と憎しみ 作品38(1934年)
マクシムの青年時代 作品41(1935年)
女友達(1935年)
マクシムの帰還(1937年)
ヴォロチャーエフの日々(1937年)
ヴィボルグ地区(1938年)
友人たち(1938年)
偉大なる市民第1部(1937年)
銃を取る人 作品50(1938年)
偉大なる市民第2部 作品55(1939年)
おろかな子ねずみ 作品56(1939年)
コルジンキナの冒険 作品59(1940年)
ゾーヤ 作品64(1944年)
素朴な人々(1945年)
若き親衛隊 作品75(1948年)
ピロゴーフ(1947年)
ミチューリン 作品78(1948年)
エルベ河の邂逅 作品80(1948年)
ベルリン陥落 作品82(1949年)
ベリンスキー(1950年)
忘れがたき1919年(1951年)
偉大な川の歌・ユニティ 作品95(1954年)
馬あぶ 作品97(1955年)
第1軍用列車(1956年)
5昼夜 作品111(1960年)
ハムレット 作品116(1964年)
生涯のような1年(1965年)
ソフィア・ペロフスカヤ 作品132(1967年)
リア王 作品137(1970年)
永遠の使者
戦艦ポチョムキン(この映画のために曲が作られたわけではなく、1976年の復刻時に既存の交響曲が使用された)
チェリョームシキ
劇付随音楽
全10作品
南京虫 作品19(1929年)
射撃 作品24(1929年)
ルーレ・ブリタニア 作品28(1931年)
ハムレット 作品32(1932年)
スペインにサリュー 作品44(1936年)
人間喜劇 作品37(1933年 - 1934年)
リア王 作品58a(1941年)
母国 作品63(1942年)
ロシアの川 作品66(1944年)
勝利の春 作品72(1946年)
ピアノ曲
5つの前奏曲(1921年)
3つの幻想的な舞曲(1925年)
2台のピアノのための組曲嬰ヘ短調(1925年)
ピアノ・ソナタ第1番(1926年)
10の格言集(1927年)
ピアノ・ソナタ第2番(1943年)
24の前奏曲(1933年)
子供のノート(1944年)
陽気な行進曲(1949年)
24の前奏曲とフーガ(1952年)
2台のピアノのための小協奏曲(1954年)
グリンカの主題による変奏曲(1957年)
編曲作品
編曲でありながら自身の作品として作品番号を与えているものもある。
ドメニコ・スカルラッティの2つの小品 作品17
ムソルグスキー 歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」の管弦楽編曲 作品58
ムソルグスキー 歌劇「ホヴァーンシチナ」の管弦楽編曲 作品106
ムソルグスキー 歌曲集「死の歌と踊り」の管弦楽編曲
A.ダヴィデンゴの2つの合唱曲の管弦楽編曲 作品124
ロベルト・シューマン チェロ協奏曲 イ短調の編曲 作品125
ストラヴィンスキー 詩篇交響曲の4手ピアノ用編曲
リムスキー・コルサコフ 私はほら穴で君を待っていたの管弦楽編曲
チシチェンコ チェロ協奏曲第1番の再オーケストレーション
ヨハン・シュトラウス2世 「ウィーン気質」の編曲
ヨハン・シュトラウス2世 「観光列車」の編曲
オネゲル 交響曲第3番 典礼風の4手ピアノ用編曲
ベートーヴェン 蚤の歌の管弦楽伴奏用編曲
ベートーヴェン ピアノソナタ第8番 悲愴の第2楽章の管弦楽編曲
ベートーヴェン ピアノソナタ第32番の第1楽章の管弦楽編曲
マーラー 交響曲第10番の4手ピアノ用編曲
シューベルト 軍隊行進曲の管弦楽編曲
ロシア民謡「ヴォルガの舟歌」のオーケストレーション
自作の編曲
歌劇「鼻」のピアノ編曲
交響曲第3番のピアノと声楽用編曲
バレエ「明るい小川」よりモデラート
主題と変奏 作品3のピアノ用編曲
交響曲第4番の2台ピアノ用編曲
交響曲第10番の2台ピアノ用編曲
その他の作品
兵士(1917年頃)
森の中にて
自由の讃歌
ソヴィエト讃歌
国歌(ソヴィエト連邦)
赤軍の歌(アラム・ハチャトゥリアンとの共作)
ポルカ
4つのワルツ
平和の鳥
儀式用行進曲
2つのマズルカ
我が祖国の栄光を歌う
創作ジャンルは宗教音楽以外のほぼ全てにわたる。労働歌で1917年から1944年の間ソヴィエト連邦国歌でもあった『インターナショナル』の管弦楽編曲もある。
著作
本人の著書と称されているものが、日本では2冊出版されている。ソロモン・ヴォルコフによる『ショスタコーヴィチの証言』(水野忠夫訳
中央公論社、1980年)と、レフ・グリゴーリエフとヤーコフ・プラデークの手による『ショスタコーヴィチ自伝――時代と自身を語る』(ラドガ出版社訳
ラドガ出版社〔発売:ナウカ〕、1983年)である。前者は、はじめは1979年にアメリカ、ドイツで出版されたもので、ショスタコーヴィチの評価をめぐって論議を巻き起こした。発表された当初からソビエト作曲家同盟などのほかローレル・フェイのような西側の音楽学者からも偽書である疑いが投げかけられ真贋については議論があった。
後者は1980年にソ連で刊行された。「自伝」とあるが、正確には、ショスタコーヴィチが生前にさまざまな媒体に発表した文章などを年代順にまとめたものである。ヴォルコフやマクシム・ショスタコーヴィチは、「実際には、別人が書いていたのだ」と主張している。すべての記事はソビエト体制下では公式見解として発表されたものである。
ショスタコーヴィチはさまざまな人物と頻繁に手紙をやりとりしており、数冊が出版されている。邦訳書は2006年現在、存在しない。とりわけ有名なのは、音楽学者イサーク・グリークマンと行われた書簡集である。1993年にロシアで出版されたもので、英訳されている (Story of a
Friendship, trans. by Anthony Phillips, London: Faver/Ithaca, N.Y. : Cornell
University Press, 2001.)。
2006年9月25日、ショスタコーヴィチ生誕100周年を記念し、ショスタコーヴィチと公私共に親友だったイワン・ソレルチンスキーとの往復書簡が出版されている。これは、イワンの息子であり音楽学者のドミトリーが編纂した書籍。ショスタコーヴィチとソレルチンスキーが知り合った1927年から、ソレルチンスキーが急逝した1942年までにやりとりされた、現存するほぼすべての書簡が掲載されている。
なお子息2人(ガリーナとマクシム)による、多くの写真を交えた回想証言『わが父ショスタコーヴィチ』(田中泰子訳、音楽之友社、2003年)が出版されている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
🐧
20211208 1528
0 件のコメント:
コメントを投稿