絶滅に対抗するささやかな祈り
マーセル・セロー『極北』
■マーセル・セロー『極北』2009年/村上春樹訳・2012年・中央公論新社。
■長篇小説(SF・近未来小説)。
■2019年11月5日読了。
■採点 ★★★★☆
大変よく練られた長篇小説である。近未来小説であるにも関わらず、あたかも見てきたかのような筆致でストーリーが展開していくのには驚嘆するしかない。
その世界構築性という意味では、日本の椎名誠の描く『水域』などの世界性と通底する雰囲気を持つが、最終局面では、やはり日本の小松左京の『復活の日』にも似た響きが感じられる。
このあたりの影響関係については何とも言えぬが、興味深い読後感を、少なくとも、わたしには残した。
強いて難点を挙げれば、キリスト教、あるいは宗教性一般に対する視線が概して平板であることと、終章に至って「我が子」に対する「手記」の文体になるが、初めにその前振りらしきものがあってもよかったかも知れない。
🐤
2019/11/11 11:46

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