歴史家・網野善彦を追悼する
■2018年2月28日読了。
■採点 ★★☆☆☆
■2008年2月27日読了。
■採点 ★★★☆☆
日本の歴史を根底から塗り替えた歴史家・網野善彦さんが鬼籍に入られて昨日(2月27日)で丁度14年が過ぎた。
先日たまたま『網野善彦を継ぐ。』を手にとって、もう一度、この稀代の歴史家の全貌の一端を確認すべきだとの思いを新たにした。
この二冊から窺えることはおよそ次の二点である。
一つには網野さんの最重要とも言うべき著書は晩年や後期に書かれた著書ではなく、前期の『蒙古襲来』(1974年・小学館)と『無縁・公界・楽』(1978年・平凡社)である、という点。
二つには、網野さんは生前から没後に至るまで日本史の専門家からは相当強い批判を受けていたという点である。
前者についてはまた別稿を起こす予定だが、後者については、いささか思うところがないわけでもない。
文字学の泰斗・故 白川静氏が学会から批判、冷遇、無視を受けていたことは、評論家の三浦雅士氏の論考*に詳しいが、それにしても日本というのは、出る杭は徹底的に打ち付ける国柄なのだろうか。
*三浦雅士「白川静問題」2007年・「起源の忘却」2010年/三浦雅士『人生という作品』2010年・NTT出版。
そう思えば、中沢さんも東大採用問題やオウム真理教問題ではまさに袋叩きにされていた。パイオニアというものはそういうものなのか。
2018年3月1日
🐔
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