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針がくるくるくるくるくるくるくる
穂村弘『蚊がいる』
■穂村弘『蚊がいる』2013年9月13日・メディアファクトリー。
■エッセイ集。
■2017年5月10日読了。
■採点 ★★☆☆☆
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相変わらず面白い。
しかし取り分け興味を持ったのが、思春期の頃から会社員時代の生きることの苦しみについて触れた「他人はどれくらい苦しいのか」である。
なにしろ、「思春期の頃、呼吸の一回一回が苦しかった」ほどで、それを彼は「その苦しみに眠ることで耐えた」という。そんな人が会社員になったら大変なことである。彼はその苦しみに腕時計のクロノグラフを作動させて針がくるくるくるくるくるくるくると高速回転するのを見てやり過ごしたという。……狂っている。
しかし、生きることにまつわる苦しみをやり過ごすには何ほどか狂ってないことがあろうか。
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