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2021年5月8日土曜日

加賀乙彦 著作一覧

 加賀乙彦 著作一覧 

 

 

加賀乙彦(かが・おとひこ) ◆小説家・精神医学。1929 (昭和4) 年、 東京市芝区(現港区)に生まれる。 東京大学医学部卒業。1969年から79年まで上智大学教授。 

 3年間のフランス留学体験は第1作『フランドルの冬』(1967年) 、第2作『荒地を旅する者たち』(1971年) に結実している。第3作『帰らざる夏』(1973年) では自身の陸軍幼年学校時代に取材して軍国主義の一断面を骨太に把え直している。主題的には当初の現実世界を牢獄とみなすニヒリスティックなものから次第にキリスト教的な救済感がその作品を支えるようになる。恐らくその機縁は彼が精神科医として接した多くの患者とりわけ死刑囚たちの心理、あるいはこの世の有り様を根本から問い直す彼らの姿勢にあったであろう。一人の死刑囚の内面をえぐった『宣告』(1979年)はそれにするひとつの回答である。それ以降『錨のない船』( 1982 年)『湿原』( 1985年)『生きている心臓』( 1991 年)など現代社会の矛盾の中で生きざるを得ない人間の有り様を全体的に把える長篇カ作を相次いで発表する。1988年からは彼の一族に材を採った『永遠の都』及び『雲の都』を発表している。 

 

単 著(長篇小説に蛍光マーカーを引く) 

『フランドルの冬』(筑摩書房 1967年、のち新潮文庫、角川文庫) 

『風と死者』(筑摩書房 1969年、のち角川文庫) 

『文学と狂気』(筑摩書房 1971年) 

『荒地を旅する者たち』(新潮社 1971年) 

『夢見草』(筑摩書房 1972年、のち角川文庫) 

『帰らざる夏』(講談社 1973年、のち講談社文庫、文芸文庫) 

『ドストエフスキイ』(中公新書 1973年) 

『虚妄としての戦後』(筑摩書房 1974年) 

『異郷』(集英社 1974年、のち集英社文庫) 

『現代若者気質』(講談社現代新書 1974年) 

『死刑囚と無期囚の心理』(小木貞孝名義 金剛出版 1974年) 

『あの笑いこけた日々』(角川書店 1975年) 

『春秋二題』(沖積舎 1975年) 

『黄色い毛糸玉』(角川書店 1976年) 

『頭医者事始』(毎日新聞社 1976年、のち講談社文庫) 

『日本の長篇小説』(筑摩書房 1976年 「日本の10大小説」ちくま学芸文庫) 

『仮構としての現代』(講談社 1978年) 

『宣告』(新潮社 1979年、のち新潮文庫) 

『私の宝箱』(集英社 1979年) 

『死刑囚の記録』(中公新書 1980年) 

『頭医者青春記』(毎日新聞社 1980年、のち講談社文庫) 

『見れば見るほど…』(日本経済新聞社 1980年、のち中公文庫) 

『イリエの園にて』(集英社 1980年) 

『犯罪』(河出書房新社 1980年、のち河出文庫) 

『生きるための幸福論』(講談社現代新書 1980年) 

『犯罪ノート』(エッセイ集 潮出版社 1981年、のち文庫) 

『作家の生活』(エッセイ集 潮出版社 1982年) 

『戦争ノート』(エッセイ集 潮出版社 1982年) 

『錨のない船』(講談社 1982年、のち文芸文庫) 

『頭医者留学記』(毎日新聞社 1983 のち講談社文庫) 

『加賀乙彦短篇小説全集』(全5巻 潮出版社 1984年 - 1985年) 

『読書ノート』(エッセイ集 潮出版社 1984年) 

『残花』(潮出版社、1984年) 

『くさびら譚』(成瀬書房 1984年) 

『湿原』(朝日新聞社 1985年、のち新潮文庫) 

『フランスの妄想研究』(小木貞孝名義 金剛出版 1985年) 

『スケーターワルツ』(筑摩書房 1987年、のちちくま文庫) 

『キリスト教への道』(みくに書房 1988年) 

「永遠の都」 

『岐路』(新潮社 1988年 「永遠の都」新潮文庫) 

『小暗い森』(新潮社 1991年 「永遠の都」新潮文庫) 

『炎都』(新潮社 1996年 「永遠の都」文庫) 

(「永遠の都」1-7 新潮文庫は、「岐路」「小暗い森」「炎都」をつなげて改題したもの) 

『母なる大地』(潮出版社 1989年) 

『ゼロ番区の囚人』(ちくま文庫 1989年) 

『ヴィーナスのえくぼ』(中央公論社 1989年 のち中公文庫) 

『ある死刑囚との対話』(弘文堂 1990年) 

『加賀乙彦評論集』(上下巻 阿部出版 1990年) 

『海霧』(潮出版社 1990年 新潮文庫) 

『生きている心臓』(講談社 1991年 文庫) 

『脳死・尊厳死・人権』(潮出版社 1991年) 

『悠久の大河 中国紀行』(潮出版社 1991年) 

『私の好きな長編小説』(新潮選書 1993年) 

『日本人と宗教』(対談集 潮出版社 1996年) 

『生と死と文学』(潮出版社 1996年) 

『鴎外と茂吉』(潮出版社 1997年) 

『聖書の大地』(日本放送出版協会 1999年) 

『高山右近』(講談社 1999年 文庫) 

『雲の都』第1-5部 (新潮社 2002年 - 2012年) 

『夕映えの人』(小学館 2002年) 

『ザビエルとその弟子』(講談社 2004年 のち文庫) 

『小説家が読むドストエフスキー』(集英社新書 2006年) 

『悪魔のささやき』(集英社新書 2006年) 

『不幸な国の幸福論』(集英社新書、2009年)  

『科学と宗教と死』(集英社新書、2012年) 

『加賀乙彦 自伝』(集英社、2013年) 

『ああ父よ ああ母よ』(講談社、2013年) 

『日本の古典に学びしなやかに生きる』(集英社、2015年) 

『殉教者』(講談社、2016年)(ペトロ岐部を描く) 

『ある若き死刑囚の生涯』ちくまプリマー新書 2019 

『死刑囚の有限と無期囚の無限 精神科医・作家の死刑廃止論』コールサック社, 2019 

『妻の死 加賀乙彦自選短編小説集』幻戯書房, 2019 

『わたしの芭蕉』講談社, 2020.1 

 

共 編 著 

『芸術と狂気』(徳田良仁共編著 造形社 1971年) 

『嫌われるのが怖い 精神医学講義』(笠原嘉対談 朝日出版社 1981年 (Lecture books) ) 

『脳死と臓器移植を考える』(編 岩波書店 1990年) 

『野田弘志の文筐』(米倉守共編 東邦アート 1991年) 

『死の淵の愛と光』(編 弘文堂 1992年) 

『光と風のなかで 愛と音楽の軌跡』(遠山慶子共著 弥生書房 1993年) 

『日本の名随筆 別巻 69 秘密』(編 作品社 1996年) 

『素晴らしい死を迎えるために 死のブックガイド』(柳田邦男・アルフォンス・デーケン共著、編著 太田出版 1997年) 

『宗教を知る 人間を知る』(河合隼雄・山折哲雄・合庭惇共著 講談社 2002年) 

『愛する伴侶(ひと)を失って 加賀乙彦と津村節子の対話』(津村節子共著、集英社 2013年) 

『「永遠の都」は何処に? TAIDAN-22世紀に向かって』岳真也共著. 牧野出版, 2017.5 

 

外 国 語 へ の 翻 訳 

『錨のない船【英語】』Riding the east wind (リービ英雄訳 講談社インターナショナル 1999年) ISBN 4770028563 

高山右近(独訳) Kreuz und Schwert: Roman über die Christenverfolgung in Japan (ラルフ・デーゲン訳 Berlin : Be.bra Verlag, c2006) 

 

本 名 で の 著 作 

 著 書 

『日本の精神鑑定』福島章, 中田修, 小木貞孝 編集 みすず書房 1973 

『死刑囚と無期囚の心理』小木貞孝 著 金剛出版 1974 

『フランスの妄想研究』小木貞孝 著 金剛出版 1985 

 翻 訳 

アンリ・バリュック『精神病の治療』高橋宏, 黒川正則, 小木貞孝 共訳 白水社(文庫クセジュ)1956 

モーリス・メルロ=ポンティ『知覚の現象学』第1 竹内芳郎, 小木貞孝 訳 みすず書房 1967 

 

 

 

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20210508 2029 

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