現代社会の倫理的課題を捉える
■大澤真幸『戦後の思想空間』
■1998年7月20日·ちくま新書。
■講演録(現代思想・社会学)。
■1998年8月9日読了。
■採点 ★★☆☆。
様々な興味深い仮説が展開されていて、知的興奮を得ることができるが、結論部分(《我々にとっては、この超越的な他者の空虚に、どのように対処するのか、ということが、緊要な実践的·思想的課題となるはずです[…]我々は空虚を回避するのではなくて、空虚をまともに引き受けなくてはならないのでしょう。それはどのようにしてか。その方法は、自由な社会をいかにして実現するかという問題にも連動しているのです。》〈p.248/傍線評者〉)が言いっ放しで終わってしまって、尻切れトンボになってしまっている。その点が残念だ。
本書で言及されている著作家の論著にも順次目を通していこうと思う。
いずれにしても大澤真幸は本当に分かりやすく、我々が抱え込んでいる現代社会の(あえて云うなら「倫理的」)問題点の急所を捉えている。凄いと思う。
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20190502 2306
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