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2018年6月4日月曜日

う~ん、難しい 村上春樹・フジモトマサル絵『村上さんのところ』

う~ん、難しい 

村上春樹・フジモトマサル絵『村上さんのところ』 



■村上春樹・フジモトマサル絵『村上さんのところ』2015年7月24日・新潮社。 
■質問返答集。 
■2018年5月頃読了。 
■採点★☆☆☆☆。 

 う~ん。この種のメール本に適切な感想、というかコメントを書くのはとても難しい。これを読んだからといって何かが得られるわけでも、何かが変わるわけどもない。 
 しかし、相当な熱意を込めて、数次にわたってウェブサイト上で読者とメールのやり取りをしている村上のこの一連の仕事*の意味を考えるべきなのだろう。 

*以下、インターネットを介した読者とのメールのやり取りを収録したものを示す。(1)から(6)までは全て安西水丸の挿画。(7)のみフジモトマサル挿画。 

(1)『CD-ROM版村上朝日堂――夢のサーフシティー』朝日新聞社・1998年7月1日。CD-ROMと書籍。 
(2)『「そうだ、村上さんに聞いてみよう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける282の大疑問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?』朝日新聞社・2000年8月1日。 
(3)『CD-ROM版村上朝日堂――スメルジャコフ対織田信長家臣団』朝日新聞社・2001年4月1日。CD-ROMと書籍。 
(4)『少年カフカ』新潮社・2003年6月10日。 
(5)『「これだけは、村上さんに言っておこう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける330の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?』朝日新聞社・2006年3月30日。台湾と韓国の読者からの質問は本書のみに収録。 
(6)『「ひとつ、村上さんでやってみるか」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける490の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?』朝日新聞社・2006年11月30日。 
(7)『村上さんのところ』新潮社・2015年7月24日・書籍版。収録数は473問。/『村上さんのところ コンプリート版』新潮社・2015年7月24日・電子書籍版。収録数は3716問。 

 わたし個人は村上がサイトをしている時期はPCがなかったり、村上への熱意を失っている時期と重なっていたりで、ほとんどリアルタイムで見たこともなければ、メールを送ったこともない。 
 が、やはり、作家本人にとってはとても大切なことなのだろう。 
 惜しむらくも先代・安西水丸画伯に続き二代目・フジモトマサル画伯を喪ってしまったことは本当に残念である。途中に挟まれる四駒漫画にどれほど癒されたことか。 
 水丸さんには水丸さんの良さがあったが、フジモトさんの丁寧に描かれた絵の素晴らしさは他と換えがたい。本書を見るとあたかも村上春樹が本当に動物と一緒に暮らしているような錯覚に陥る程だ。 

 

是非別にフジモトマサル画集の刊行が待たれる。 

🐣
2018年6月4日 17:07


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