音楽批評になり得ていない
■長篇インタヴュー(音楽)。
■2018年5月11日読了。
■採点 ★★☆☆☆。
言葉はよくないが。ある種の楽屋落ち、というか、内幕ものにはなっていて興味深いが、果たして、「批評」になっているか、つまり「音楽とは何か」、「音楽を演奏するとは何か」、「音楽を聴くとは何か」、「音楽を批評するとは何か」といった根本的な部分に触れているとは思えなかった。
例えば、冒頭にレナ―ド・バーンスタインが共演するグレン・グールドとの解釈違いについて釈明をする一件が紹介されていて、これはCDにも収録されているが、まさにこれこそ、音楽の演奏とは、音楽の批評に他ならないことを示したものだが、それが何を意味しているのかという掘り下げはここでは行われていない。
ひとつには聞き手の村上があくまでも実作者、すなわち音楽で言えば演奏家、playerであって批評家ではない、ということになってしまうのか。
その意味では、大変もったいない作品とも言えるが、まー、解釈するのは後続者、ということになるのか。
ということで言うと小林秀雄賞受賞というのも手放しで喜べない気がする。
🐤
2018年5月17日 11:14
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