■江藤淳・吉本隆明「文学と思想」/『文藝』1966年1月/『江藤淳 著作集6 政治・歴史・文化』1967年12月25日・講談社。
■対談(文学・思想)。
■2016年5月8日読了。
■採点 ★★★☆☆。
本来思想的な立場では対立すると考えられている江藤と吉本だが、実際にはアプローチの仕方は異なっても、合い通ずるところがあるのは当人たちが語っている通りである。
大変刺激的な対談で、50年後の今読んでも、全く色褪せるところが全くない。
どちらかと言えば江藤の方が生彩を放っている気がする。
たまたま久しぶりに入った自室で江藤淳の絶筆『幼年時代』を手にした。集中、吉本の追悼記「江藤淳記」が並録されていて大変感銘を受けて、これもたまたま手に取った本対談に目を通した次第である。
□事実のかなたの他人が大切(江藤) p.240
□福沢「痩せ我慢の説」(江藤) p.247
□どれくらい柔らかい心を持っているか(江藤) p.248
□大江は文学者失格だ(吉本) p.250
□異常なものを見るのが好きではない(江藤) p。252
□体制を補填しない方法が見つからない(吉本) p.252
□人間は二重性としてしか存在しない(吉本) p.255
□「実現を無限に延期された行為」=詩的行為 p.259
□孤立的に存在していた知識人が時代を転換させていく(吉本) p.260
□自分の中に世界を取り込んだものだけが世界を動かす(吉本) p.261
□人間が作ったルールが人間を縛る(吉本) p.266
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