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2022年9月4日日曜日

謎々『ユリシーズ』その14 「これは文学ではない」 ――「第14挿話 太陽神の牛」を読む

 

ⅩⅣ

Βόδια του Ήλιου


オデュッセウスの教友たちがヘリオスの牛を盗む(ペレグリーノ・ティバルディフレスコ画1554/56)(「ヘリオスの牛)/ウィキペディア、フリー百科事典から援引)

 

 

謎々『ユリシーズ』その14

 

「これは文学ではない」

――「第14挿話 太陽神の牛」を読む

 

【凡例】

・『ユリシーズ』からの引用は集英社文庫版による。鼎訳・巻数、ページ数で示す。単行本からの引用は、鼎訳・単行本・巻数、ページ数で、柳瀬尚紀訳からの引用は、柳瀬訳・ページ数で示す。また、英語原文はwebサイト『Project Gutenberg(プロジェクト・グーテンベルク)』(Ulysses by James Joyce - Free Ebook (gutenberg.org))によった。

・『新英和中辞典』(研究社・電子版)はwebサイト「weblio」からの引用であり、以下「新英和」と略記し、最終更新日、閲覧日については省略する。一般的な訳語についての語註は「weblio」の見出しから取り、「weblio」と表記する。

・綿貫陽、宮川幸久、須貝猛敏、高松尚弘、マーク・ピーターセン『徹底例解ロイヤル英文法』改定新版・2000年・旺文社からの引用は「ロイヤル」と略記する。

・引用文の傍線(下線)、傍点の類いは何の断りもない場合は引用者によるものである。

 

 

1.  原文は丸谷訳程難解ではないのではないか、と思います。丸谷訳は凝りすぎではないのではないでしょうか?

2.  一体なぜ、彼らは病院でどんちゃん騒ぎをしているのでしょうか? 第9挿話では図書館でも騒いでいましたが。これが普通だったのでしょうか? とっとと酒場に行け、と思いますが。

3.  ラストの酒場でのシーンはあたかも、往年のザ・ドリフターズのコントにおける楽屋崩しの落ちのような印象を受けますが、途中に垣間見える抒情性(のようなもの)を照れ隠ししているのか、隠蔽しようとしているのか、どうなのでしょうか?

4.  ジョイスは本当は抒情性から逃げたかったのではないかとも思いますが(それでもつい出てしまう?)、いかがですか?

5.  『ユリシーズ』を長篇小説だと見る向きがありますが、短篇(中篇)小説の寄せ集め、強いて言うと短篇連作という感じがします。あるいは18世紀的な長篇小説の構造を否定しようとしている気もします。言うなればジャンルを否定しようとしたのかな、と思います。柄谷行人は漱石の小説を、ジャンルを否定する「文」であるとしましたが、ジョイスの狙いもその辺にあるような気もしていますが。いかがでしょうか?

6.  牛の話の流れですが、スイマセン、ジョイスの伝記的事実の不勉強ですが、ジョイス本人は肉食はしていたのでしょうか? この時代、菜食主義の思想はあったのでしょうか?

7.  ブルームはあえて酒席に居ながら、何故酒を飲まないのでしょうか?

《途中》

🐧

1,174字(3枚)

 

20220904 1306

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