すべてを肯定的に捉える思想
■吉本隆明『真贋』
2007年2月・講談社インターナショナル/2017年7月15日・講談社文庫。
■2014年10月29日読了。
正直に言うと吉本さんの本のどこかで、読んだことかあるなという感想だ。一つには本書に特定のテーマが設定されていないことも茫漠たる印象を持つ原因なのかもしれない。
編集者が適切なテーマで議論を導いていけば、或いはこうはならなかったかも知れない。
書中、安藤昌益の思想の紹介が面白かった。彼は釈迦や孔子を全否定したが、それは彼らが《倫理的にいいと思われることしか言ってないからだというのです。天然自然を主体に考えたら、いいことも悪いこともあるのが当然であって、悪いことを言わないというのは、それだけで、もうだめな証拠だという考え方です。悪いものであっても、いいものであっても、すべてを肯定的に含めて考えなければいけないというです。》(文庫p.22)
安藤昌益の名は勿論承知していたが、このような根元的(ラディカル)な思想を展開していたことは知らなかった。汗顔の至り、まさに驚くばかりである。
安藤昌益
どこかで読んだことかある
編集者が提示するテーマの問題か?
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